4月、国の有識者会議は日本海溝と千島海溝で巨大地震が起きた場合の津波について新たな想定を示した。岩手県宮古市で30メートル近い津波が見込まれているが、岩手県だけ具体的な浸水範囲の想定が公表されていない。住民に必要なはずの情報が非公表とされている背景には何があるのか。 北海道太平洋沖の千島海溝付近では、1973年根室半島沖地震や2003年十勝沖地震など、過去に繰り返し巨大地震が発生し、強い揺れと大きな津波が沿岸に襲来して甚大な被害がもたらされました。このような状況から、2017年12月に、地震調査研究推進本部・地震調査委員会は、千島海溝沿いの地震活動の長期評価(第三版)を13年ぶりに新たに公表し、「マグニチュード(M)8.8程度以上の非常に大きな地震の発生する可能性が高い」と注意喚起しました(*1)。北海道では、地層に残された過去の津波の … 青森県議会は22日、一般質問を行った。三村申吾知事は、内閣府が4月に公表した日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデルについて、沿岸市町村の津波防災対策の基となる津波高や浸水範囲を示すため、新たな津波浸水想定を年度内にまとめることを明らかにした。 内閣府は2020年4月、日本海溝などで巨大地震が起きた場合の津波の想定を新たに示したが、浸水想定範囲は岩手だけ公表されなかった。県は6月19日の会議で早い公表に向けて国と調整したいとの考えを示した。盛岡市で開かれた6月19日の会議には沿岸12市町村の防災担当者が集まった。