『山月記』は次の2点で示すようにシンプルな構造で、20~30分で読める短編小説です。 ①主な登場人物は李徴と袁傪の二人だけ 『山月記』の主要人物は、主人公である李徴(りちょう)と、李徴の友人である袁傪(えんさん)の2人です。 李徴(りちょう) 隴西(ろうさい、中国西部、甘粛省にある地名。)の生まれ。若くして科挙の試験に合格して役人になるも、低い身分に甘じることができず、役人の座を辞して詩作にふけるようになる。 詩人として有名になれなかった李徴は、発狂し行方不明になっていた。 李徴の友人・袁傪は虎になった彼と再会する。 虎になったいきさつを語る李徴。誰かが自分を呼んでいる声を追って走るうちに虎に変身していたと言うのだ。 いずれ完全な虎になり人間の心が消えることを恐れた李徴は、袁傪に詩を書き留めてほしいと頼む。 さらに妻子の援助を願った後、二人は別れる。 袁傪が振り返ったとき、月に向かって咆える虎の姿を見た。 5.【指】別冊宝島『珍国語』のパロディ「木曜スペシャル風山月記」の週刊誌の記事の パロディを読ませる。 ・山月記を身近な問題として考える。 4.板書する。 第一段落(1)) 1.若くして進士の試験に合格し役人になる。 『山月記』の登場人物.

A、強すぎる自意識に飲み込まれたから山月記で最も印象的なのは「臆病な自尊心」、「尊大な羞恥心」という言葉です。分かりやすく言うならこの二語は「強すぎる自意識」と言い換えることができます。詩の世界で名を残せずに元いた場所に戻ってくるという恥ずかしさ。そして今まで馬鹿にしていた同期たちの部下になるという屈辱。仕事を辞めてまで出ていった手前、この気まずさは半端じゃないですね。李徴の抱えていた自尊心と羞恥心は次項で詳しく説明していきます。 『山月記』が『人虎傳』というプレテクストを持つ事は、 と袁捨象された事項についても多くの論がある。ここでは、李徴すでに諸先学によって明らかにされており、作品執筆の際に 傪 それぞれの人物像について、『山月記』と『人虎傳』 ・ 「山月記」本文の全ての漢字に読み仮名をつけました。また、200以上の語句の意味を掲載しています。 ・ 中島敦「山月記」は中国の「人虎伝(李徴)」をもとにして書かれています。